2022年03月05日
再建築不可物件であれ、普通の物件であれ、不動産を所有しつづける以上はコストがかかります。その代表的なものとして挙げられるのが「固定資産税」と「都市計画税」という税金です。再建築不可物件か普通の物件か?建物があるか?更地か?で税額は異なります。また、売却する場合はタイミングによって節約も可能です。
今回は再建築不可物件の固定資産税・都市計画税について考えていきましょう。相続などで突然物件を所有することになったという方のために、「固定資産税・都市計画税とはなにか?」という基礎的な知識からご説明します。すでにご存知の方は目次より関心がある箇所から読み進めていただければ幸いです。
目次
再建築不可物件の所有者にかかる2つの税金
再建築不可物件の所有者にかかる2つの税金
- 固定資産税
- 都市計画税
聞いたことはある!固定資産税って具体的に何?
固定資産税は比較的有名な税金なので、払ったことがない方でも、名前だけは聞いたことがあるかもしれません。読んで字のごとく固定資産にかかる税金です。具体的には毎年1月1日時点で土地や建物といった不動産や償却資産(事業用の資産。機械や工具、設備など)を保有している人が支払わなければなりません。
いわゆる地方税であり、各市区町村に納めることになります。「固定資産税評価額」に「税率(神奈川県横浜市の場合は1.4%)」を掛けて税額を算出します。金額の算出方法については後ほど詳しく解説します。
毎年5~6月ごろに納付書が送られてきて、年4回分割もしくは一括で支払います。
都市計画税?そんな税もかかるの?
都市計画税は不動産を所有したことがない方には少し馴染みが薄い税金かもしれません。こちらは都市計画区域内にある土地や建物にかけられる税金で、償却資産や都市計画区域外の物件は対象外です。固定資産税と同様、毎年1月1日時点で不動産を所有している人が支払います。
ちなみに、都市計画区域とは一つの都市としてまとまって計画的かつ優先的に整備・開発・保全すべき区域のことを指します。市街地であればまず都市計画区域に指定されていると考えてもいいかもしれません。
都市計画税も固定資産税と同様に市区町村へ納める地方税であり、固定資産税評価額に税率(神奈川県横浜市の場合は0.3%)を掛けて算出します。納付方法も固定資産税と同じく、納付書が送られてきて、年4回分割もしくは一括で支払います。
再建築不可物件と通常物件で固定資産税額は変わる?
固定資産税も都市計画税も、固定資産税評価額によって税額が決まってきます。固定資産税評価額とは、いわばその物件の価値のことです。物件の資産価値が高ければ高いほど、固定資産税も高くなります。たとえば、人気のエリアにある新築の住宅は、税額が非常に高くなるでしょう。
一方で土地に関しては建て替えや増築ができず活用方法が限られていて、建物の築年数も古い再建築不可物件は一般的に資産価値が低いとみなされます。したがって、再建築不可物件は普通の物件よりも固定資産税額・都市計画税額ともに安くなる可能性が高いです。
固定資産税はどのくらいかかるの?
さて、ここまで固定資産税について解説してきましたが、一番気になるのはやはり「いくらかかるのか?」ということだと思います。
前述のとおり、固定資産税は固定資産税評価額によって左右され、以下の計算式で求めることができます。
たとえば、固定資産税評価額が2,000万円の土地の場合、2,000万円×1.4%=28万円が固定資産税の税額となります。なお税率は市区町村によって異なりますので、必ず納税地の税率をご確認ください。
評価額ってどう決まる?
固定資産税評価額は住宅用地の場合は公示価格の70%、それ以外の土地の場合は土地ごとの固定資産の路線価をもとに画地計算法を使用して算出された金額、家屋の場合は新築時の建築コストから築年数ごとの減価を含めて評価額が決定されます。
また、住宅用地は特例が適用されて固定資産税と都市計画税が安くなる場合があります。
一般住宅用地(住宅1戸につき200平米を超える部分について)の場合、固定資産税は評価額×1/3、都市計画税は評価額×2/3が適用となります。小規模住宅用地(住宅1戸につき200平米以下)については固定資産税が評価額×1/6、都市計画税が評価額×1/3となります。
更地になったら固定資産税はどうなるの?
仮に建物を解体して更地にした場合、固定資産税はどうなるでしょうか?単純に考えれば建物部分の固定資産税がなくなるため、出費が抑えられると思われるかも知れません。しかし、土地の固定資産税は残って、しかもむしろトータルのコストが高くなる可能性すらあるのです。その理由について考えていきましょう。
固定資産税から見る、更地になる前に売るべき理由
更地になった元再建築不可物件の土地は極端に活用用途が少なくなります。建物が建築できなくなるので当然といえば当然で、できることといったら駐車場、コインパーキング、資材置き場、庭園にするといったくらいです。そのため、本当に売りにくくなります。まだ、補修が必要でも住居や賃貸物件として活用できる再建築不可物件のほうがマシなレベルです。
売却するのであれば、老朽化や災害による建物の倒壊が起こる前に売ってしまったほうがおすすめです。
災害などどうしようもない理由で更地になった場合は?
自分で更地にした場合でも、災害などの理由でやむを得ず建物が倒壊した場合でも、基本的に扱いは同じです。再建築不可物件は不可抗力で倒壊してしまったとしても、建て替えは認められません。つまり更地にするしか方法はないのです。
新築ができず、しかも災害が発生した場所ということになると、余計売りにくくなります。
火災保険は入っておくことをオススメする理由とは
仮に再建築不可物件が火災や地震などで倒壊した場合、建物にかかる固定資産税はなくなります。しかし、土地には固定資産税がかかり続けます。
火災が起きた場合、火災保険に入っておけば保険金を受け取り、それを更地の固定資産税の支払いにあてることができます。
「古い建物だから」「価値が低い建物だから」ということで、火災保険に入らなくてもいいと思われがちですが、むしろ再建築不可物件こそ火災保険に加入しておくべきです。特にいわゆる「空き家」状態になっている物件は放火などの犯罪が発生したり、災害などで倒壊したりするリスクが高くなりますので、火災保険は必須と言えます。
再建築不可物件を売却したら固定資産税はどうなるの?
不動産を売却した場合、固定資産税や都市計画税は日割り精算を行います。その年の1月1日時点の所有者に対して固定資産税の納付書が送られるわけですが、引渡し日の前日までの分を売主が、引渡し日以降分を買主が負担するよう精算します。
たとえば、固定資産税額が10万円として、引渡し日が6月1日としましょう。売主は1月1日~5月31日までの151日分を負担します。買主は6月1日~12月31日の214日間を負担します。売主の負担額は10万円÷365日×151日=41,369円です。買主の負担額は58,630円となります。
買主は売主に自分の負担額分の58,630円を渡し、その年の固定資産税を代わりに支払ってもらいます。
よって、再建築不可物件を売却するのであれば1日でも早く売ることで、その年の固定資産税・都市計画税の負担を軽減することが可能です。
固定資産税を払う無駄を回避するために売却する人もいる
再建築不可物件であっても、所有している以上は固定資産税と都市計画税がかかり続けます。ご自身が住むのであれば何ら問題はありませんが、住んでいない実家を相続したケースなど、実際に使っていないのにも関わらず、毎年税金を払いつづけるのはもったいないです。固定資産税を支払う無駄を避けるために再建築不可物件を売却される方も少なくありません。
確かに普通の物件と比較すると、どうしても売却益は少なくなってしまいますが、固定資産税を支払い続けるよりは格段に多くのお金を手元に残すことができます。
売却するなら高く売りたい!そんな方はご相談ください!
不動産にかかる固定資産税と都市計画税。再建築不可物件だからといって免除されることはありません。特に築年数が古い物件は早めに手を打たないと更地にせざるを得ない状況になるリスクもあります。そうなると土地も活用できず、売ることもできず、税金の支払いだけが延々と続くことになりかねません。手元にお金を残したいのであれば、売却するというのも一つの手段です。
再建築不可物件でもなるべく高く売却したい……そんな方はトラブル不動産売却センターにご相談ください。経験豊富なスタッフがお客さまの抱えられている事情も察して親身にお話をお伺いします。デリケートな問題も遠慮なくご相談ください。もちろん、守秘義務は厳守します。
契約不適合責任は免責なので、契約成立後に減額・契約破棄をするようなことはありません。契約後すぐに代金をお支払いします。相続登記や残置物撤去、原状回復などの諸費用もすべて弊社で負担するので、お客さまの出費はありません。
再建築不可物件の固定資産税の支払いでお困りの方、未納になってしまっているという方は、お早めにご連絡ください。