再建築不可物件のリフォームって補助金は出る? 自治体別に例を挙げてご紹介!

2022年08月26日

物件へのリフォームにはさまざまな補助金が用意されています。その対象には再建築不可物件も入っています。そこで本記事では、自治体別に具体的な例を挙げてリフォーム補助金をご紹介していきます。

再建築不可物件の価値をリフォームで上げて、高額な売却につなげるようにしましょう。

再建築不可物件のリフォーム

新しい家に建て替えることができない再建築不可物件ですが、建物自体の面積が増加しなければリフォームやリノベーションをすることは可能です。

建築基準法第43条では、「土地のいずれかの場所が幅員4m以上の道路に2m以上接していることが必要」という接道義務という項目が定められています。

それを満たしていない再建築不可物件では建物を建て替えることはできないのですが、1/2以上の修繕工事など建築確認が必要な大規模な修繕でない限り、問題なくリフォームすることは可能です。

なお、再建築不可物件は現行の建築基準法ができる前に建築されているものが多いため、耐震基準に適合していない建物が多くあります。

そこで再建築不可物件に長く住み続けていくつもりでリフォームをするのであれば、耐震補強工事が最優先となります。

そもそも再建築不可物件はリフォームできる?

総務省が2018年10月1日時点で調査した「平成30年住宅・土地統計調査」によると、東京23区内の都市計画区域内には、接道義務を果たしていない物件が全体の約5%も存在しているという結果が出ています。

そのため、東京23区内にある家の約5%は再建築不可物件であるともいえます。この再建築不可物件は築40年以上や築50年以上が経過しているのは当たり前であり、耐震性能はもちろん耐火性能の面でも現行の基準を満たしていないものが多くなっています。

そのため再建築不可物件の場合は特に、リフォームによって耐震・耐火性能を高める必要があります。

そのほか、住宅設備の交換や室内の床材・壁材の交換だけを行うリフォームなら、どの再建築不可物件でも実行することができます。

また、その再建築不可物件が「木造2階以下かつ500平方メートル以下の建築物」か「木造以外の建築物で1階かつ200平方メートル以下の建築物」であれば4号建築物と該当され、大規模な修繕や大規模な模様替えでも建築確認申請は不要となっています。

再建築不可物件のリフォームで補助金はもらえる?

家のリフォームやリノベーションを行う場合、多くの自治体や国が補助金を用意しています。また、さまざまなリフォーム減税も実施されています。

リフォームの費用は物件の状況により異なるため一概には言えませんが、部分的なリフォーム工事なら数百万円程度で済みます。ただ、耐震補強工事を入れた大規模なリフォームを行うと1,000万円以上の費用が必要になることがあります。

しかし多くの自治体では、再建築不可物件の耐震補強工事に対して補助金を用意しています。売却価格の低さから担保にならず住宅ローンの融資は受けられないことが多い再建築不可物件ですが、無担保の耐震補強リフォームならローンを利用することも可能です。

また各自治体によって耐震補強リフォームのほかに、バリアフリー・介護リフォーム、省エネ・エコ・断熱リフォームなど、さまざまな補助金制度が設けられています。

これらの補助金には工事着工後あるいは工事終了後に申請し工事完了後に完了報告を提出するタイプと、工事着工前に申請し申請が許可された後に工事着工するタイプの2つに大きく分かれます

前者のタイプはリフォーム工事終了後にいったん費用を支払ってから、物件のある自治体への実績報告の提出が必要です。

【結論】補助金をもらうことは出来るが…

再建築不可物件のリフォームでも補助金をもらうことはできますが、工事着工前に申請するタイプであればリフォームの事前申請をしなければなりません

また、補助金を受け取れるのはリフォーム工事が完了してからですので、リフォームの費用は自身でいったん全額を支払わなければなりません

また、大規模なリフォームであればあるほど工事期間も長くなり、6~8ヵ月くらいかかることもあります。居住している家を大規模リフォームするのであれば、その工事期間の間に生活をしていく仮住まいも用意しておく必要があります。

このような費用や時間のロスも考慮に入れながら、リフォームを行うかどうかを決めていきましょう

なお、リフォームにかかる費用や期間などの詳細は後述します。

再建築不可物件におけるリフォーム補助金の例

再建築不可物件におけるリフォーム補助金の支給額は自治体によって異なっています。おおよそで20万円ほどのものから100万円を超えるものまでさまざまとなっています。

また、補助金を受け取るのではなく、工事を行った翌年の固定資産税が減額される自治体もあります。以下に代表的な自治体を例にとって説明します。

【居住の場合】

リフォーム費用は物件の状況、住宅の面積により大きく異なってきます。耐震補強工事を入れたフルリフォームを行うと1,000~2,000万円以上の費用がかかる可能性もありますが、具体的な金額は工務店に依頼して見積もりを取ってみましょう。

再建築不可物件における耐震補強工事の補助金【東京都新宿区】

東京都新宿区では、再建築不可物件を含む木造住宅の耐震補強工事に対して補助金を出しています。工事の内容に応じてですが、耐震補強工事にかかる費用の3/10(上限75万円)から3/8(上限150万円)まで補助を受けることができます。

再建築不可物件における耐震補強工事の補助金【神奈川県横浜市】

神奈川県横浜市では、再建築不可物件を含む木造住宅の耐震補強工事に対して補助金を出しています。補助金の額は、耐震改修工事費用に対して、世帯の課税区分に応じてきますが、一般世帯で100万円、非課税世帯で140万円までの限度額で補助を行います。

再建築不可物件における改修工事に伴う減税措置【神奈川県鎌倉市】

神奈川県鎌倉市では、耐震改修工事を行って50万円を超える工事費を支払った場合、工事が完了した年の翌年度のその家屋に対する固定資産税が減額されます。

減額率は、120平方メートル未満の場合は改修した住宅の固定資産税額の1/2、120平方メートル以上の場合は改修した住宅の床面積120平方メートル分の固定資産税額の1/2となっています。

そのほか、住宅バリアフリー改修に伴う固定資産税については、100平方メートル未満の場合は改修した住宅の固定資産税額の1/3、100平方メートル以上の場合は改修した住宅の床面積100平方メートル分の固定資産税額の1/3が減額されます。

また、住宅省エネ改修に伴う固定資産税の減額も実施しており、120平方メートル未満の場合は改修した住宅の固定資産税額の1/3、120平方メートル以上の場合は改修した住宅の床面積120平方メートル分の固定資産税額の1/3が減額されます。

【賃貸の場合】

再建築不可物件には、居住用ではなく賃貸物件としてリフォームする際の補助金制度もあります。それは、国が行っている住宅セーフティネット整備推進事業です。ただし、この事業の補助を受けて改修工事を行った賃貸住宅は、改修工事の工事完了日から10年以上の期間、管理を行うことが必要となっています。

再建築不可物件の賃貸としてのリフォーム

住宅セーフティネット整備推進事業の補助金制度を利用することで、賃貸目的での改修工事に補助金が支給されます。

ただこの補助金制度は、高齢者世帯や障がい者等世帯、子育て世帯、所得が214,000円を超えない者などの住宅確保要配慮者に向けて貸し出すことが条件となっています(募集から3ヵ月以上入居者を確保できないときには、そのほかの者を入居させることが可能です)。

そのほか、耐震改修やバリアフリー改修、省エネルギー改修といった指定されたリフォーム工事である必要があります。

この住宅セーフティネット整備推進事業の補助金額/率は、改修工事費用の1/3となっており、空家戸数×100万円を限度としています。

補助金申請のタイミングには注意!

リフォーム工事着工前に申請を行うタイプの補助金には注意が必要です。

このタイプの場合、「補助金申請~申請内容の審査~許可~着工」の順番でリフォーム工事を進めていく必要があります。もしリフォーム工事が終わった後から補助金を申請しても受け取ることはできません

またリフォーム補助金制度は税金でまかなわれていますので、申請期間が決められています。また、予算の上限も決められていますので、その予算上限を達成してしまえば、期限前でも終了することがあります

そこで、補助金の申請タイミングや申請期間は、国や自治体に対して事前に確認しておきましょう。

再建築不可物件のリフォームにおける一般的な費用と施工期間

再建築不可物件に部分的なリフォームをするのであれば費用や期間はあまりかかりませんが、耐震補強工事含めたフルリフォームをするとなると1,000万~2,000万円程度の費用がかかることがあり、リフォーム期間は6~8ヵ月におよぶこともあります。

大規模リフォームのためには費用も時間も多く費やす必要があり、他の方法と費用などの比較検討をしていくことは必要です。このように費用や時間がかかるのであれば、自身は新たな物件を探し、所有している再建築不可物件は売却するという選択肢もあります。

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