【再建築不可物件は私道に接道しているだけで認定…とは限りません!】本当の見極め方をお伝え!

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2022年05月20日

建て替えや増改築が認められていない再建築不可物件。所有されている不動産が再建築可能なのか不可なのかを判断するキーワードは「道路」です。ざっくりと言ってしまえば再建築不可物件とは道路に接していない物件のことを言います。

しかし、接していればどんな道であっても良いのかというとそういうわけではありません。今回は道路という観点から、所有されている不動産が再建築不可物件かどうかを見極めるポイントについてご説明します。

そもそも再建築不可物件はどう判断されるのか

建築基準法では「接道義務」が定められており、敷地が一定の条件下で道路に接している必要があります。たとえば四方を他人の敷地に囲まれたような敷地には建築許可が下りません。仮に道路に接していたとしても、それが条件を満たしていなかったとしたら、やはり再建築不可物件となってしまいます。

それではどのような基準を満たしていれば接道義務をクリアして建築許可が下りるのでしょうか?

どの道路にどれくらい接道しているのかが基準

接道義務について定めた建築基準法第43条では、「建築物の敷地は2メートル以上道路に接していなければならない」とされています。道路の定義については建築基準法第42条で定められています。道路の種類については後ほど詳しく解説しますが、幅員4メートル以上(一部地域では6メートル以上)の道のことを指します。

たとえば接している道路の幅が3メートルである場合、接道義務を満たしたことにはならず、再建築不可物件になってしまいます。仮に4メートル以上あったとしても、間口が1.9メートルしかなかった場合はやはり接道義務を満たしていないことになってしまいます。

道路の種類は全部で7種類

普段私たちが通行している道路ですが、実は法律上さまざまな種類に分類されます。人が行き交っている、車が通行できるような道に敷地が接していても、それが法律上の「道路」に該当しなければ、接道義務を満たしたことにはなりません。建築基準法第42条の各項目には道路の条件が詳しく定義づけられています。それぞれ見ていきましょう。

法42条1項1号道路(道路法による道路)

まず挙げられるのは道路法で道路として定められているものです。具体的には国や都道府県、市区町村が管理している幅員4メートル以上の国道・都道府県道、市区町村道などが挙げられます。こうした道路に敷地が2メートル以上接していれば問題なく建物を建てることができます。

法42条1項2号道路(2号道路)

都市計画法や土地区画整理法、新都市基盤整備法、大都市法、密集市街地整備法などの法律にもとづいて造られた開発道のことです。たとえば開発段階の住宅分譲地などに張り巡らされた道路などが挙げられます。分譲地の開発の段階で接道義務を満たすためにディベロッパーがこうした開発道を法律にもとづいて整備します。開発が進んだら自治体に寄付されて前述の1項1号道路になります。

法42条1項3号道路(既存道路)

建築基準法が制定された1950年11月23日以前から存在する幅員4メートル以上の道路のことを指します。国道・都道府県道、市区町村道などに指定されていなくても、昔に造られた道路で国や都道府県、市区町村が所有しているものがあります。これらが既存道路と呼ばれます。

法42条1項4号道路(計画道路)

都市計画法にもとづき2年以内に事業が予定されている道路のことを指します。道路が未完成の状態であっても、都市計画道路として事業が決定していて土地が道路用地として買収済みであればこれに該当する可能性があります。「指定道路調書」や「拡幅予定線図」で確認することが可能です。

法42条1項5号道路(位置指定道路)

特定行政庁が道路位置を指定した幅員4メートル以上の私道のことを指します。個人が所有する道路であっても、それが位置指定道路になっていれば接道義務を満たすことが可能です。また、位置指定道路から1項1号道路に移管されるケースもあります。

法42条2項道路(2項道路・みなし道路)

幅員が4メートル未満の道路で、建築基準法第42条第2項の規定によって「道路としてみなす」とされたものを指します。国内には4メートルに満たない道路も数多くあります。これらをすべて道路として認めないとなると、再建築不可物件だらけになってしまいます。そこで救済措置として「幅が4メートル未満の道であること」「建築基準法が適用された際にその道に現に建築物が立ち並んでいたこと」「特定行政庁(知事や市長)の指定を受けたことでの救済措置による道路のこと」のすべての条件を満たした場合は道路としてみなすことになっています。

法43条2項道路(43条但し書き道路)

実は道路以外の空間も道路として扱われることがあります。建築基準法第43条2項に但し書きで書かれているため、「但し書き道路」と呼ばれます。「その敷地の周囲に広い空地を有する建築物、その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて、建築審査会の同意を得て許可したもの」、具体的には公園や緑地、空き地、農道などが挙げられます。

私道の接道であっても回避する方法はある?

接道先が私道であっても必ずしもNGという訳ではありません

一見道路に思えても建築許可が下りない代表例として私道が挙げられます。どれだけ広くて人や車が通行している道であっても、それが個人の持ち物であった場合、接道義務を満たしていることにはなりません。しかし、例外はあります。それが前章でもご説明した「42条1項5号道路(位置指定道路)」です。

私道が位置指定道路と認められる為の要件

位置指定道路とは法律上の道路ではない道を例外的に道路として認めるものです。私道がこれに認められるためには以下のような条件を満たす必要があります。

  1. 幅員が4メートル以上あること
  2. 両端が他の道路に接続していること
  3. 接する道路と交わる部分に隅切り(土地の角を削って道路状にすること)がなされていること
  4. ぬかるみの防止がなされていること(未舗装の場合は砂利が敷かれているなど)
  5. 横断勾配が12%以下
  6. 排水設備があること

以上の条件がすべて整っていれば、私道であっても道路として認められ、建築許可が下りる可能性があります。

認可を受ける為の流れ

位置指定道路によって接道義務を満たしていることにして建築許可を申請する場合、以下のような流れとなります。

    1. 接している私道が位置指定道路になっているかを確認
    2. 所有者の同意を得る

特に位置指定道路によって建築許可を申請する際には私道の所有者に同意を得ることが大切です。口約束だけでは後々トラブルが発生する可能性もあるため、必ず同意書も用意しましょう。

位置指定道路と認められなかった場合の対策について

接している私道を位置指定道路として建築許可を申請しても認められないケースもあります。その場合は他の手段で接道義務を満たすか、再建築をあきらめるかしかありません。ここからは位置指定道路での申請以外の手段について見ていきましょう。

セットバック、またはお隣の土地を購入する

接している道路の幅員が狭い場合、その分だけセットバックして道路の幅を4メートル以上確保すれば接道義務を満たすことが可能です。たとえば3.5メートルの道路と接していて向かいに川がある場合、0.5メートルを自治体に明け渡してその部分を道路とすることで、建築許可が下りるようになります。

隣の土地が道路に接していて接道義務を満たしている場合は、その土地を購入してしまうという方法もあります。隣の土地と自分の土地を合体させることで接道義務を満たすことが可能です。隣地をまるまる購入する必要はありません。敷地が2メートル接していればよいので、幅2メートルの間口ができるように土地の一部だけ譲ってもらうことで、建築許可が下りるようになります。

詳しくは「【再建築不可物件】建て替えする裏技を大公開!リスクを踏まえた最適な方法とは?」の記事をご覧ください。

隣地の一時使用の賃貸借契約を結ぶ

少し裏技的な方法ですが、建て替えや増改築のときだけ隣の土地を貸してもらうという方法もあります。工事期間中は賃貸借契約を結んで地代を払って許可申請に使わせてもらい、工事が完了したら契約を解除して土地を所有者に明け渡します。隣地を購入すると購入費用がかかり固定資産税額も上がりますが、この方法であれば出費を最低限に抑えることが可能です。

私道との接道による再建築不可認定を訂正するにはコストがかかる

再建築不可物件であっても絶対に建て替えや増改築をすることはできないわけではありません。しかし、位置指定道路での申請は手続きが大変で認められるという確証はありません。セットバックすれば土地の一部を自治体に寄付しなければならないため、損をしてしまいます。隣地を購入あるいは借りるにしても費用がかかります。

再建築不可物件を再建築できるような状態にするためには、コストや手間がかかってしまうのが実情です。

様々な手間を省きたいのであれば買取業者への売却がおススメ

再建築不可物件に住まない・活用しないということであれば手放してしまうのも手です。接道義務を満たした上で建て替えや増改築を行うのも手間やコストがかかりますので、やはり売却がおすすめです。

とはいえ、仲介業者では買い手がつきにくく、売れたとしても二束三文にしかならない可能性も高いです。買取業者であれば買い手は業者自身なので早めの現金化が可能。仲介手数料も不要なので手元にお金が多く残せる可能性もあります。

不安な方は是非私たち専門業者にご相談ください!

再建築不可物件を再建築できる状態にするのは大変で、さまざまなコストがかかります。再建築不可物件の扱いに困られている方は専門業者に相談してみましょう。

トラブル不動産売却センターは再建築不可物件をはじめトラブル不動産を多数取り扱ってきました。活用ノウハウがあるため、好条件での買い取りが可能。コストや手間をかけて無理やり接道義務を満たす必要はありません。現状のままお譲りください。

神奈川県で再建築不可物件の活用にお悩みなら、ぜひ私たちにご相談ください。

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