あの有名人も陥ったトラブル! セレブが憧れる神奈川県崖地物件の落とし穴とは

あの有名人も陥ったトラブル! セレブが憧れる神奈川県崖地物件の落とし穴とは

2022年12月15日

神奈川県の逗子や葉山などの海が見える高台にある住宅地は誰もが憧れを抱きます。しかし、これらの住宅地の物件は崖地にあるケースも多く、リスクが数多くあるのも事実です。

この記事では有名人の事例も交えて、崖地物件のデメリットを解説。適切な売却方法についてもご紹介します。特に所有されている物件が崖の近くにある方、崖地物件が売れなくて困られている方には参考になる内容となっております。

神奈川県の半分が崖地!

神奈川県というと山が少ない平地というイメージがあるかもしれません。たしかに横浜市や川崎市などの東部は関東平野に位置しているため、平坦な土地が多いです。しかし、地図を見ればわかるとおり、西部には山が連なっており、決して神奈川県全体が平野であるというわけではありません。「箱根の山は天下の嶮」と言われるように、かなり起伏が激しい地形となっています。

また、一見すると平坦な土地に思われる三浦半島周辺も、実際には崖が非常に多い地域です。冒頭に挙げた逗子や葉山などの沿岸地域も例外ではありません。

関東平野の一部を形成する神奈川県ですが、実際には県内の土地の半分は崖地とも言われています。

真鶴の豪邸1200万円の維持費に有名人も悲鳴

ファッションモデルとしてデビューし一世を風靡したタレントの梅宮アンナさん。大御所俳優であった故梅宮辰夫さんの娘としてもよく知られています。実はアンナさんは崖地物件でさまざまな苦労をされたそうです。

お父様の辰夫さんが2019年に81歳で他界され、アンナさんは真鶴町にある一軒家を相続したそうです。やはり芸能人のお家というだけあって、かなりの豪邸。高台にあり、海が一望できる絶好のロケーション。しかし、その分維持するのは非常に大変だったそうです。崖地にあるので外壁塗装やメンテナンスをするための足場費用も普通の物件と比較すると高額になり、固定資産税も支払わなければなりません。当時は築36年が経過して老朽化も進んでおり、住み続けるためにはアンナさんの生活スタイルに合わせた住まいになるようリフォームやリノベーションも必要です。さらに庭木の剪定などの維持費もかかります。自宅を相続してからトータルで1,200万円も支払ったそうです。

しかも階段があるため、高齢になって足腰が弱ったり要介護状態になってしまったりすると住み続けることはできません。

アンナさんはご自身やお母様のクラウディアさんが住めるようリノベーションをしたものの、今後のことを考えると金銭的にも、ご自宅の構造的にも、住み続けることができないと判断し、物件の売却を決断したそうです。アンナさんは雑誌の取材に対し「私には荷が重すぎたんです」「私の力じゃ対応できませんでした」と語っています。

幸い自宅は売却できたそうですが、それまで良い買い手になかなか出会えなかったこと、お父様の辰夫さんから受け継いだ物件を手放すことに葛藤を覚え、さまざまな苦難を経験されてきたそうです。

下世話な話になりますが、アンナさんのような一流芸能人ともなれば、得られる収入も蓄えている財産も、一般人のそれとは桁違いだと思われます。それほどのセレブでも、諦めて自宅を手放す選択をせざるを得なかったのです

崖地物件のデメリット

梅宮アンナさんの事例からも、一戸建ての崖地物件を維持し続けるのがいかに難しいことなのかがわかります。ここからは崖地物件を所有するデメリットについて詳しく見ていきましょう。

崖崩れの恐れがある

一番のデメリットは災害に遭う危険性が高いという点です。これまでも日本各地で大雨による土砂災害が発生し、数多くの尊い命が奪われてきました。

神奈川県では「斜面の角度が30度以上、高さが5m以上」「斜面の崩壊により危害が生じるおそれがある家が5戸以上」「5戸未満であっても官公署、学校、病院、旅館等に危害が生じるおそれがある場合」という条件に該当する地域を「急傾斜地崩壊危険区域」として、東部エリア内で土砂災害が起こる危険性が高い区域を「土砂災害警戒区域」として、警戒と対策を呼びかけています。

アンナさんの自宅がある真鶴町にも急傾斜地崩壊危険区域に指定されている地域が多いです。ただ、アンナさんの自宅周辺は岩盤が強く、がけ崩れのリスクが低いと推定されます。

出典: 神奈川県土砂災害警戒情報システム より

実際に同県の逗子町では2020年に斜面が崩落して70トンもの土砂が落下し、高校3年生の女子生徒が犠牲になるという痛ましい災害が発生しています。現場近くでも斜面の崩落が発生し、対策工事を行っている最中だったそうです。

周辺の住民は「いつ大規模な崩落があるかわからない」「恐怖と隣合わせ」と語ります。崖地物件は大切なご自身の命と財産が奪われる災害に見舞われるリスクがかなり高くなるのです。

坂や階段が多く年をとると住みづらい

崖地物件の周辺はどうしても高低差が激しくなりがちです。特に高齢になると坂や階段の登り降りがしづらくなり、一人で買い物や通院などの外出をすることが難しくなってしまいます。車の運転も高齢となると反射能力や判断能力が低下して事故を起こす危険性が高くなります。

さらに足腰が弱くなると家の中でも移動が困難になりかねません。階段の登り降りができなくなり、段差につまずいて怪我をするリスクも高くなります。アンナさんの自宅は2階にバスルームがあったそうです。ガラス張りで海が一望できる素晴らしいお風呂なのですが、晩年の辰夫さんはバスルームまで移動することが困難となり、お風呂に入らなくなってしまったこともあったそうです。

お母様のクラウディアさん、そしてご自身も老後を迎えるにあたって不安があったのも、アンナさんがご自宅を手放された理由の一つです。

メンテナンスに費用がかさむ

建物は月日が経てば経つほど劣化が進みます。それを直すためのメンテナンス費用も必要です。たとえば外壁や屋根の塗装が劣化すると雨水が建物内部に侵入して耐久性が低くなってしまうため、10~15年ごとに再塗装をしなければなりません。建具や内装材、住宅設備が傷んできた場合は交換が必要です。さらに、加齢や生活スタイル、家族構成の変化に応じてリフォームやリノベーションも必要になってくるでしょう。こうしたメンテナンス費用は築年数が古ければ古いほど高額になりがちです

アンナさんの自宅は相続時に築36年で、リノベーションにワンフロアだけで700万円かかったそうです。さらに、崖地物件では足場を組むのが困難であるため、外壁塗装や屋根塗装をする際には一般的な住宅よりも高額になるケースが非常に多いです

アンナさんが苦悩されたように、崖地物件の場合は多くのコストを負担してまで物件を所有し続ける必要があるかどうかも考えなければなりません。

崖条例に注意

上記のようなデメリットに加え、崖地物件を所有される際には、いわゆる「崖条例」についても注意が必要です。前述のとおり、崖地はがけ崩れや土砂災害のリスクが非常に高くなるため、条例で建物の建築が規制されていたり、現存する建物の売却に条件が加えられたりします。

建築基準法第19条では「建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない」と定められており、各自治体で崖条例というルールが決められているのです。

たとえば、「崖の下の建物には鉄筋コンクリート造にしなければならない」「崖上の建物は基礎を深めにしなければならない」「売却時には擁壁検査が必要で、不備があれば基礎や擁壁の再築造が必要になる」など、さまざまです。

神奈川県内でも市町村によって崖条例の内容は異なりますので、崖地物件を売却する際には物件がある自治体のルールをホームページなどで調べ、それを遵守することが大切です。

リスクとメリットを併せ持つ神奈川の崖地物件

これまで崖地物件のデメリットをさまざま紹介してきましたが、悪い点ばかりではありません。やはり海を一望できる見晴らしがいい高台の物件は非常に魅力的で価値が高いです。特にリゾート地である逗子、葉山、鎌倉といったエリアは昔から富裕層が別荘を所有していてブランド力があります。自宅や別荘にするのはもちろん、賃貸物件や企業の保養所、宿泊施設にするなど、需要も幅広いです

さらに近年では自宅で仕事ができる「リモートワーク」や旅行をしながら仕事をする「ワーケーション」に代表されるように、働き方も多様化しているため、ますます海が見える物件のニーズが高まっています

アンナさんの事例のように、「古くても欲しい」「多少維持費がかかっても欲しい」という人が多く、高値での売却も不可能ではありません。

神奈川の崖地物件は土地事情を熟知した不動産業者へ

アンナさんがご自宅の売却に成功されたのは、崖地物件の取扱いや地域事情に熟知した不動産業者に巡り会えたのが一番大きな要因と言えます。ご本人も「真鶴という土地と風習を熟知している不動産屋さんにお願いしたほうがいい」「真鶴のエリアに詳しい、別荘を専門にした不動産屋さんに相談した」「本当にお客さんの立場に立ってくれた」と語っています。まったくそのとおり、物件の価値に見合う価格で売却するためには、不動産業者選びが最も重要なのです。

神奈川を拠点とするトラブル不動産売却センターなら、神奈川県内の土地事情を熟知し、崖地物件の取引実績とノウハウが豊富です。お客様に最適な方法で、かつ高値での売却が可能です。

崖地物件の維持でお悩みの方、思うように売れないとお困りの方は、ぜひ私たちにご相談ください。